走り出したら止まらないぜ

ただの日記です、ベイベー

ほのかにうちひかりて

ニイタカヤマです。
ウチは団地です。
昨日、帰宅してインタホンを押したらいつものようにハニーがドアを開けてくれました。
中に入ろうとしたら、足元を指差して
ね、あれ蛍じゃない?
っていうのでそっと指で捕まえ手に取るとお尻が綺麗な蛍光ミドリに光りました。
蛍です。
わけもなく幻想的です。

ただしフォルムは頭の赤い小さなゴキブリです。可愛いか、と言われると微妙です。全体像をなるべく見ないで光るお尻だけをひたすら見るようにしました。


ウチは比較的都会のはずです。
郊外ではありますがたぶん都会です。
確かに、リスが飛び出し鷹が舞うようなところではありますが、都会の端くれなのです。

巨大なナナフシや脱皮中のアブラゼミ、カブトムシにクワガタなどゴロゴロいますがギリギリ都会の端くれなのです。
一応都会、なのに、玄関に蛍です。


前にも書きましたけど、僕は虫は苦手ではありますが、比較的甲虫類は大丈夫なのです。
蛍って甲虫ですか?甲虫ですよね?夏の夕方にフリフリ飛んでいるホタルガはぞっとしますが、ただの蛍なら触れます。
そして商売柄比較的ゴキブリも平気です。


くだんの蛍は僕の指につかまりながらほわぁーっとミドリに光っていました。彼の全体像を見てはいけません。
そして、彼は夜行性なので、たぶん、活発に動いて、ぼくの指先まで辿り着くと、まるで頭の赤い小さなゴキブリが羽をはためかせ飛ぶが如く、ほわぁーっと飛んだのです。お尻は光っています。光ってなかったらひゃーひゃー言ってます。スリッパ探してます。

そんな父母の騒ぎを聞きつけ、上の娘が乱入してきます。
うわっ
と、明らかに頭の赤い小さなゴキブリと勘違いした娘は後ずさりします。ケツを指差して光ってるから、光ってるから、と娘にアピールします。
あ、ケツとは僕のケツではありません。
父が娘に自分のケツを指差して、光ってるから、光ってるから、などと言うともう二度と口など聞いてもらえません。家出されます。
光っていたのは蛍のケツです。あ、お尻です。

とにかく、その頭の赤い小さなゴキブリみたいな彼が蛍だとわかった娘はスマホで写真を撮ろうとします。
ただ明るいとわかりにくいので電気を消してみたのですが、そうして撮った写真は一面の暗闇にぴっ、と微妙な光の点があるだけでなにがなんだかもはやわかりません。


そんなわけで、娘のカメラロールには光ってる事がわかりにくい蛍の全体像の写真がたくさん保存されています。すなわち、頭の赤い小さなゴキブリの写真です。

撮影会が終了した後、蛍は外にそっと逃しました。ほのかに光りながら、彼は夜の闇に消えて行きました…