走り出したら止まらないぜ

ただの日記です、ベイベー

梅雨の思い出

うちは団地の2階です。
うちの棟だけ他からポツンと離れています。山のてっぺんです。目の前は林です。っていうかもはや森と言った方がいいかもしれません。

春先はウグイスがうるさいのです。ウグイスが終わればホトトギスです。
リスが飛び出しが舞っています。比較的都会なのに自然がみちあふれています。目の前は、そんな林なのです。


ところで、皆さま蝶は好きですか?
僕はモンシロ、モンキが限界です。アゲハ?もう無理です。幼い頃に何があったのかもはや記憶は定かではありません。しかし、蝶は嫌いです。生理的に受け付けないのです。

よくヘビがダメ、蜘蛛がダメ、というのを聞きます。わかります。自分でも原因はわからないのですがとにかく蝶がダメなのです。


蝶がダメということはもちろん蛾などもっての外です。
単色の小さい奴はまだしも、やままゆ系のデカくて丸い模様のやつは大げさでもなんでもなく気絶してしまいそうなほどです。


さて梅雨です、それは気温と湿度が高い季節。目の前は林。だいたいわかって頂けますか?
夜、仕事から帰ってくると高確率でヤツがいます。団地の2階まで上がる階段のどこかに両手の平程のサイズのヤツがいるのです。

常に首をすくめビクビクしながら2階への階段を登っていくのです。たまたまヤツがいない日はスムーズにうちに辿り着けます。
しかし、大抵います。視界の片隅にチラッと入るのです。そうなったが最後、もう前へは進めません。

ヤツを刺激しないようにそーっと後戻りして下に戻ります。
ヤツが何という種類なのかは知りません。
なぜなら迂闊に調べようなどとするとヤツの画像を見るはめになるからです。


その夜もヤツはいました。
比較的黒系です。これ以上は観察などできません。とにかく、そーっと後戻りして、家にいる下の娘に電話します。彼女は我が家で唯一虫系に強いのです。

すぐ来なさい

この一言で彼女は自分のミッションをすぐさま理解します。いつもはうちから飛び出し来て傘でツンツンしてヤツを追い払ってくれます。ツンツンされると、ヤツは上の方に飛び林に帰っていくのです。
しかし、この日娘は何故か殺虫剤を手に出てきたのです。

1階の比較的早い段階にいたヤツに娘は殺虫剤をかけます。下りてきたまま上からかけます。
すると、あろうことか上からの攻撃に慌てたヤツは下に向かったのです。 しかし、そこには僕がいます。

どっひゃー
と、皆が寝静まる夜に大声を出しながら逃げ惑います。娘はさらに殺虫剤を追加でかけます。
そして、おそらくですが、殺虫剤効いていません。
しかもヤツは何故か僕を追ってくるのです。
ヤバいです。
マジギレです。

殺虫剤、やめんかいっ!
夜の団地に響きます。

えー、なんで?
間の抜けた娘の声も響きます。さらにスプレーの音もまだしてます。

ええから、やめろゆーてんねんっ!

えー?なんで?

なんで、もへったくれもあるかいっ!
やめろゆーたらやめんかいっ!

これ以上ないくらい真剣です。

あまりの語気にスプレーを止める娘に、今度はヤツは娘に向かっていきます。
そりゃそうです。そっちには光があります。

ひゃー
って言いながら娘は逃げ惑い、苦し紛れにスプレーします。
すると案の定ヤツはまたこっちに来ます。

おいっ!
スプレーすんなってゆーてるやろっ!


だってー!
もはや阿鼻叫喚の地獄絵図です。

そんな中うちの扉が開きハニー(嫁です)がズカズカ下りて来ます。

あんたらっ!
何時だと思ってんのっ!


飛び交うヤツをパシッと手で追い払い仁王立ちです。
娘と僕は疲れ切った顔で、呆然とその場に立ち尽くし、ハニー(嫁の事です)を虚ろに見つめていました…




嫁は強し
ま、そんな梅雨の思い出です。